稽古納め
今年最後の稽古を終えたら心にぽっかり穴が空いてしまったようになって、まだまだこれから本番まで二週間あるんだから、やることは山積みなのに、やっぱり踊る時間ははかない。昨日の稽古もあっという間に終わってしまった。
この一週間はひたすらきたさんとのduoを通していた。踊りながら音のことや動きの速度のことをきたさんは的確に拾い上げてフィードバックしてくれる。わたしは速度を上げていくギアチェンジがうまくいかなくてあたふたしていた。ギアを入れるには腑に落ちるタイミングみたいなものがあるんやで、ときたさん。ここだ、というタイミングをつかんで、然るべきところまで、止まれるところまで一気に動く。すると止まるということが、より特別なことになる。
誰かと踊ることが、これだけの緊張(いい意味での)と、揺さぶり(実際に触れる触れないとは関係のない)をもたらすとは。人の心はそれだけ不安定で複雑なのかもなぁと、普段忙しさにかまけて麻痺したわたしの感覚はヒリヒリするのだった。
きたさんとの稽古は年明けにあと一回きり。
はかない。はかないが、やらなあかんことに目をパチパチさせながら、手足動かすうちに本番が来てしまう。ダンスという濃密な時間はまばたきのようです。ほんの一瞬のこと。今回ほどそう感じたことはない。
そんなこんなで今年の稽古が終わり今日は休日。古川友紀さんの「歩録」を観て、これからお寿司の「土・どどど着陸」へ。古川さんの地道なフィールドワークに支えられた結晶のようなパフォーマンス、おもしろかった。時間の流れと視点が古川さんのスイッチングで変わっていく。知りたいという欲求が満たされ好奇心をくすぐられる、とてもワクワクする時間だった。
写真はtheatre E9にて
魅惑的お寿司のポスター
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